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zoom RSS 給料はなぜもらえるのか?

<<   作成日時 : 2010/12/09 18:10   >>

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「給料はなぜもらえるのか?」

今回ご紹介する記事は、とある研修講師の方が、
上記の質問テーマで、新入社員に対してダイアローグ研修を
行った際のレポートでした。

この問いに関しては、新人にかかわらず、
中堅・ベテランの方も考えをもっておいたほうが良いと思います。

と言いますが、非常に深いテーマです。

重要なのはこういうことに常に疑問を持ち、
自分なりの考えを持っておくということ。

それが重要なのではと思いました。


是非ご覧ください。


「仕事への心構え」こそ
入社直後に考えてほしい

 研修対象の新入社員は約50名。これを5名ずつ10グループに分けて、それぞれのグループ内で対話をし、その結果を発表するというスタイルで進めま した。発表については私が短くコメントし、また若干のレクチャーをするという構成です。

 対話(ダイアローグ)については、前回もご紹介し たように中原淳・東京大学准教授(教育学)と長岡健・産業能率大学教授(組織社会学)の考え方と手法を踏襲しています(『ダイアローグ 対話する組織』ダイヤモンド社刊)。

 そもそも、この研修を企画提案したのは、ビジネスマナーやスキル以前に、「仕事への心構え」を身につけてもらうことが必要である、と考えていたからです。 すでに、この考え方に基づいて、入社3年目以内の若手社員を対象にした「ザ・ファースト・ステップ『一人前の仕事力』」を刊行しています。その著者の1人である松尾睦・神戸大学大学院経営学研究科教授によれば、「一人前になるためには、よく考えられた訓練と、仕事に対する正しい信念が必要で ある」。正しい信念を持つためには、最初に仕事への心構えを正しく身につけさせることが大事、と考えたのです。

 それについて、なぜ対話という手法を採ったかというと、仕事への心構えについて絶対の正解は無く、むしろ、社会人に成り立てとはいえ、個々人のなかに無意識にしても正しい答えが存在しているはず、と考えたからでもあります。外から与えられた情報の処理は間違いなく身につけるべきスキルですが、「答えの多くは自分のなかに眠っている」ということを実感してもらいたい、という思いもありました。

 この研修では、3つのテーマで対話をして もらいました。「なぜ、この会社を選んだのか」、「給料はなぜもらえるのか」、「どんな社会人になりたいか/どんな仕事をしていきたいか」という3つです。

 少しアタマを使わないと解が出ないのが「給料はなぜもらえるのか」という問いでしょう。これが今回の肝にあたる部分でした。

「仕 事をするんだから、給料をもらうのは当たり前、と考えてほしくない」という点で、人事サイドと私との意見が一致し、選定したテーマです。

原点は大事だが
経験を積むと価値観は変わりうる

 対話と議論、雑談の違いについて簡単に説明して、最初の「なぜ、この会社を選んだのか」の対話に入りました。そのときに設けたルールは、「司会進行をする人、もしくは口火を切る人は、各グループに任せる」、「全員が必ず意見を述べる」、「ひとりの意見に対しては、必ず2名以上が質問する」という3点でした。対話の時間は30分。発表が20分程度です。

「なぜ、この会社を選んだのか」はアイスブレークにちょうどいいと考えて提示しまし たが、案の定、対話は弾みました。内定期間が最長で1年近くにも及ぶ新人たちですから、振り返って初心を思い出していたようです。

 何人か の発表をふまえて、私が「何に価値を見出すかは、人によって違う。いまそれぞれが話したことが、働く価値観の原点だが、さまざまな仕事経験を積み、多くの 人とコミュニケーションすることで価値観は変わることがありうる」というような短いコメントを述べました。成長するということは、世界が広がることと同義 であり、広い世界につながるべき、というのが言いたかったことです。

 対話をひとつやってみて、少し緊張がほぐれたところで、いよいよ「給料はなぜもらえるのか」を対話してもらいました。

「給料はなぜもらえるのか」というテーマは、あまり親切な問いかけではありません。どのよ うな観点で意見を述べるべきか、解釈の余地が大きいからです。私のほうからは、ざっと利益と給料の関係について話し、そのような観点にとらわれないで話を するように言いました。

 各グループでの対話は、なかなか盛り上がり、多くの傾聴に値する意見がでてきました。

給料は働く目的なのか?

 グループの意見はいくつかに集約され、「同じお金をもらうのでも、アルバイトとは責任が違う」、「お金をもらって研修を受けるのは、会社にとって投資であ り、いつかはリターンを上げなければならない」、「親が学費を出してくれるのも、そこに期待感があるから。会社も似ていて、給料をもらったらそれに答える必要がある」など、さまざまな観点からの興味深い意見がありました。

 この問いは、実は中堅社員もベテラン社員も、つねに考え、答えを用意するべき問いだと私は考えています。正解が重要であるというより、これにまともに答えうるのがプロフェッショナルである、という考えからです。

 そこに会社に入りたてのときから、まがりなりにも自分自身で考えさせ、かつまた何人かで対話してもらうのが大事である、と人事担当者とも意見が一致しました。

さて、このあたりで「講師=教える側」であるはずの私は、脳に汗をかくような思いを味わうことになりました。問う者が、いつしか問われる者になるという、プラトンの対話編のような事態になったのです。

 あるグループからは、「仕事って、給料をもらうためにするものだったっけ」という疑問が投げかけられました。

 読者諸賢は、この問いにうま く答えられますか?私は、「給料は、仕事の結果としてもらうもの、考えたほうがいい結果につながるのでは?」と答えました。

 また、ほかのグループは、「成果に対して給料が支払われるというなら、平均の2倍の成果を上げたら、給料は2倍もらえることにならないのか」という疑問も出ました。

  これには企業財務の考え方から、答えは示すことができそうです。しかし、では成果に対する適正な給料はいくらなのか、と問われたとすると、誰も正しい答えは示せないのではないでしょうか。

 新入社員の前で立ち往生することはありませんでしたが、得がたい体験でした。ひとことで言えば、20数年組織の中で働いてきて、考えなくなっていたことや、自動化されていた思考が揺さぶられたわけです。

社会人として働いていく上で重要な
「イニシエーション」と「継続的な意識付け」

 ダイアローグ研修は、最後に「どんな社会人になりたいか/どんな仕事をしていきたいか」というテーマで対話をしました。これは一種の決意表明なの で、前向きな気持ちになって締め、となります。最後に半日の研修を通して得た気づきを1人ずつ発表して終了となりました。

「こういうことで もなければ給料がなぜもらえるかなどということを、あらたまって考えることは無かったかもしれない」、「対話をしてみて、いろいろな考え方があることがわ かった」など、狙い通りの感想が聞かれました。人事の方にも、同じような言葉でご評価をいただきました。

 1回の研修で「仕事への心構え」 がしっかり身に付くわけでは、もちろんありません。現場に出ればあわただしい毎日の中で初心を忘れがちになることも、誰もが経験することです。「給料をもらうのは当たり前じゃないか」と感じるようにもなるでしょう。

 しかし、何かの折に「そういえば、新入社員研修のときに“なぜ給料をもらえるのか”なんて、みんなで話したなあ」と思い出すことがあるかもしれません。

連載タイトルの「なぜ職場で人が育たないのか?」について、そ の背景には多様な要因があると、ここまでの各回で述べてきました。では、どうすれば育つのか。これにもさまざまな解がありうるでしょうが、入社時点でのイ ニシエーションと意識付けはかなり重要だと感じます。それは1回限りのものかもしれませんが、そこから職場への配属後も継続して意識付けが続き、折にふれてのフォローがあれば、事態は大きく改善されるのではないでしょうか。

心構え研修を通して、さらにその思いを強くしました。

[参照:「なぜ給料をもらえるのか――」新入社員研修での問いへの手ごたえ ダイアモンドオンライン]


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